東京訴訟第3回期日開催
~140名を超える傍聴支援に裁判所も動く~
本日14時から東京訴訟第3回期日が開催されました。
当日は,裁判所前の集会から人があふれ,傍聴券の抽選には140人以上が列を作りました。
その後約100人の傍聴席も原告席・原告代理人席も満席ではじまった法廷では,5月に提訴した第3陣の訴状と,被告国・県,チッソの答弁書が陳述されて,第1陣・第2陣と併合審理されることが決定されました。
その後,原告から,提訴した第1陣原告らが水俣病であることが共通診断書によって裏付けられているという内容の準備書面(病像論2)と,水俣病の被害について,民法の時効・除斥期間の制限は受けないから,被告らは責任を免れないという内容の準備書面(除斥1)が陳述されました。
被告国,チッソから,前回期日で原告が出していた準備書面(病像論1)に対する反論の準備書面1が陳述されました。
ここで 原告から「原告が被告国・県の責任の根拠としている水質二法についての反論がない」旨指摘し,あとで反論するのか質したところ,被告国・県の代理人は,「関西水俣病訴訟最高裁判決の判断を覆すつもりはない」として,この点について争わないことを明らかにしました。
この結果,本件の争点は,原告らが水俣病であるといえるのかどうか(病像論)と時効除斥に絞られることになりました。
今後は,原告が第2陣・第3陣原告らも水俣病であることは共通診断書で裏付けられていることを準備書面で明らかにすること,被告国・県は,原告らが水俣病ではないこと(病像論)について,被告チッソが原告らの発症時期が明らかになり次第,時効・除斥期間の経過によって被告らの責任はなくなったとの主張を補充していくことを確認しました。
(裁判所前の集会の様子)
閉廷後の報告集会には,50人以上の支援者・原告が集まり,弁護団からの裁判報告や熊本原告等からの報告を聞きました。
また進行協議からもどった弁護団から報告を受けました。
進行協議では,
・ 裁判所が,傍聴希望者が多数に上ったことから引き続き大法廷を使うつもりでいること
・ 弁護団から,傍聴者,原告から何をやっているのかわからなかったという批判が出たと伝えたこと
・ 裁判所が,法廷でのわかりやすさを意識しているとして,原告代理人からの書面要旨の陳述を認めたこと
・ 裁判所が,被告国・県,チッソにも短時間での陳述を求めたこと
ということでした。
次回期日は10月7日(水)15:00~101法廷です。
裁判所が,原告と支援の熱気が,裁判所の姿勢を動かしつつあるということが顕著に表れた法廷でした。