9月19日、ノーモア・ミナマタ第2次近畿訴訟の大阪高裁での第3回口頭弁論期日が開かれました。
期日に先立ち、昼休みに、裁判所前で恒例の宣伝行動を行い、世話人の原告が、次々にマイクを持って、自分の被害や早期解決を求める思いを道行く市民や裁判所の関係者に訴えました。また、ビラまきには、支援の方々も加わり、用意していたビラを全部配布しました。
(宣伝活動の様子)
午後に202号大法廷で行われた弁論期日では、まず、原告の前田芳枝さんの自宅での生活状況を谷智恵子弁護士が撮影した動画が法廷で上映されました。
その動画によって、手が震えて字がうまく書けない、急須の湯が注げない、スマホのキーを押そうとすると二度押しになってしまう、といった水俣病による日常生活の被害の状況が再現されました。
それを受けて、前田さん本人が、意見陳述に立ち、水俣病患者は、一見、普通の人と違わないが、実際は、手足をもぎとられたのと同じような苦しみを毎日味わっていること、全員勝訴の大阪地裁判決には嬉しくて涙が止まらなかったが、国やチッソが控訴したために争いが続いていること、原告らは、生きていくのがやっとで、一刻も早い救済を待ち望んでいること、などの切実な思いを訴えました。
続けて、弁護団が、控訴審での主要な争点である疫学(西念京祐弁護士)、病像(中島宏治弁護士)、責任(徳井義幸弁護士)の3つの分野について、スライドを上映しながら、原告側の主張の要点を説明するプレゼンテーションを行いました。
その後、被告の国とチッソも、それぞれ、プレゼンテーションを行いましたが、その内容は従前の主張の繰り返しでした。
原告側は、新しい裁判官に、原告側の主張の正当性と本件訴訟の早期解決の必要性をアピールすることができたと考えています。
(報告集会で団結ガンバローをする様子)