本日、熊本地方裁判所でノーモア・ミナマタ第2次熊本訴訟第37回口頭弁論期日が行われました。
4月に右陪席の裁判官が交代したこともあり、これまでの証人尋問の結果を踏まえたプレゼンテーションを実施しました。
(門前集会で「団結ガンバロー」を行う原告の様子)
【倉岳・長島の食生活をビジュアル化して説明】
トップバッターは、倉岳担当の守田英昭弁護士。対象地域である龍ヶ岳に隣接する倉岳町には、棚底、宮田、浦の3地区があるが、いずれの地区も漁師や行商人から入手した魚を多食したこと、倉岳の漁師が地先にとどまらず水俣湾周辺でも漁をしていたこと、だからこそ特措法でも多数が水俣病被害者と認められたことなどを明らかにしました。
次鋒は、長島担当の村山雅則弁護士。東シナ海に面する旧長島町は、東シナ海の魚ばかり食べていたように誤解されがちで、国は旧東町と明確に線引きしています。しかし、旧長島町の漁師も波が穏やかな不知火海に漁に出ていたこと、同じ生活圏にあった旧東町から多くの行商人が来ていたこと、有病率調査で高い率の住民に感覚障害が認められたことなどを明らかにしました。
【疫学調査の有用性を詳細に説明】
3番手は、疫学担当の菅一雄弁護士。津田敏秀教授(岡山大)、中村好一教授(自治医科大)の証人尋問の結果をふまえ、これまでの疫学調査から、不知火海産の魚を日常的に食べ、感覚障害が認められる原告は水俣病と判断できることなどを明らかにしました。
【国の病像の破たんを突く】
アンカーは、病像担当の中島潤史弁護士。高岡滋医師(水俣協立クリニック)、濱田陸三医師(今村総合病院)の証人尋問の結果をふまえ、原告らを診断した高岡医師らの所見が医学的に信用できることを明らかにしました。
さらに、国の濱田証人が、「手足が鈍感であることは経験的にわかる」などと医学的根拠なく述べた珍説を批判しました。
(報告集会の様子(左から中島潤史弁護士、寺内大介弁護士))